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俺流マジック哲学

私ほどの腕前になると、やれ「一緒にコンビを組んで下さい」だとか「是非同じチームに入ってください」とか「師匠と呼ばせてください」という者が後を絶たない。
そういった時私は必ず「ああ、構わない。正し、2つ条件を付けさせてもらう」という事にしている。
そして、二つの条件とはこうだ。
・○○してあげると。という言い回しを使うな。
・アンビシャスカードを演じるな。
この条件を聞くとほとんどの者は「私には限界だ」といった感じで首をもたげ尻尾を巻いて逃げていくのである。

○○してあげると。とは、指を鳴らしてやると、とか、カードをたたいてあげると、といった言い回しである。
「マジックはテクニックよりもしゃべりの方が大事だ」などと持論をぶちかますやつに限って、この言い回しをする。
言うのもうっとうしいが間違った謙譲語である。
演者にとってお客様は敬わなければいけない存在であることは間違いない。
敬うにあたって大切な事は「自分の立場を明確にすること」である。
「指を鳴らしてあげると」というのは何に対して言っているのか。それはトランプである。
この時点でマジシャンの立場がトランプより下になる。
そんなトランプ以下の存在に敬われても何の価値もなくなる。
お客様に失礼ではないか。
それがわかっていない。
アニメ攻殻機動隊に出ていた荒巻部長も言っていた「頭は立場が上にあってこそ下げる価値がある」と。
私はこれを聞いたとき「いいからあやまれ」と思った。
とにかく、人間が物品の下に回ることは許されない。ギャグでしかない。
漫画ブシドーブレードで(名前忘れたが)忍者の恰好したやつのヒエラルキーがセロハンテープ台以下というギャグが面白かったくらい面白い。
例えるなら、「本物のボンカレーゴールドを食べたこのない女にカレーうどんを食べさせて、どうだ!これが本場ナポリ仕込みのチーズフォンデュだぜ!!このおかま野郎」と言っているようなものである。

アンビシャスカードを演じるな。とは文字通り、封印しろという事である。
「アンビシャスカードを自分なりのルーチンで構成してみました。」とかいう動画に対して
「そういう事を言う人をよく見ますが、どこかで見た事のある現状の組み合わせじゃないですかもっとオリジナリティを出した方がよいと思います。」
というコメントをよく見る。が。
そもそもアンビシャスカードがもう駄目。
一言でいえば、コモディティ化している。分かりやすく言えばオワコン。
マーケティング論の中でもっとも有名であろう2つの単語がある。
レッドオーシャン戦略とブルーオーシャン戦略とストーンオーシャン戦略だ。
レッドオーシャンとは、出がらしで食い散らかす事。
ブルーオーシャンとは、空いてるところでイノベーションの事。
ストーンオーシャン戦略とは、
漫画ジョジョの奇妙な冒険で、第5部まで続けて63巻まで出てたのに、6部のストーンオーシャンになってから急に1巻に戻り、
読者の間では「えーこのままいけばこち亀に追いつくと思ってたのにー」という思いを抱かせつつ、
よく見ると背表紙の1の下に括弧して64と書いてあり、安心させる戦略である。
ちなみに私はブルーオーシャンという用語を知る前は勝手に「ペンギンのやり口」という単語でパッケージ化していたが、通じないのでブルーオーシャンに変えた。
ブルーオーシャンといっても通じないが。
アンビシャスカードはレッドオーシャンである。
客の受けが良いから、とか、マジック的に洗練されているから、とか、わかりやすいから、とかで簡単にやってよいマジックではない。
そういった目先の小銭を拾ってイノベーションを捨てた者に未来はないと考えている。
リクエストされてたとして嘘でもできないと答えるべきである。

この話をすると大体、ストーンオーシャンのあたりで、ほとんどの者がこう言う。
「あの、さかいさん、さーせん、おれこれ逃しちゃうと、終電しかなくなっちゃうんで帰りますわ。」
そして私はこう答えるのである。
「あ、え、あ、だったら、しゅうで・・、あ、いや、じゃあ、早く行って。遅れちゃうとまずいし。ここのコーヒー代は俺払っとくから。」
という。













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