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蜂のように - TAKA-bee

「時報を歌にしてみたら原形がなくなった的な感じ風のノリみたいなアレ」というタイトルの曲がある。
その曲名としては恐ろしく長い部類に入る歌を聴いて、私が知ったことは3つある。
ひとつ目は「ボカロ」という単語があるということ。
もちろん聞いたときは何のことであるかさっぱりわからなかったが、しかも「ポカロ」と聞き間違えていたが、後で調べたらボーカロイドの略であった事がわかった。
コンピューター音声に歌わせた歌のことである。
その次は「東方」という熟語の読みが「とうほう」であったという事である。
わたしはずっと「ひがしかた」と読んでいた。
こちらのほうはいまだに何なのかよくわからないが東方神起とは違うものだということだけは認識している。というか東方神起も知らないのであるが。
そして3番目は「taka-bee」という歌い手がすばらしい歌唱力を持つ存在であると勘違いしていた事である。
そうではなかった。彼は作詞家であった。ミュージシャンであった。


初めて彼を知ったのは「もちろん」という単語を使ってよいのかどうかわからないがニコニコ動画である。
「アノ人の アレを アコギ アレンジ 【Lovin' Forever!】」というタイトルの動画だ。
ある程度の再生数を確保している、だから「おもしろい」ということの信頼性の感じた私は再生ボタンを押すことを決定した。
何気なくサーフしていて見つかった、何気ない動画である。
いわゆる、ネタとして歌われているであろうその歌は、それ自体を払拭するような圧倒的な歌唱力で武装されていた。
コメントは沸き立ち、リスナーの感動が真実であることが伝わってきた。
称賛はほぼその歌唱力に注がれ、同時に疑う余地がなく、その動画の存在する理由として有り余るファクターであった。
私にとっても、それはマイリストのリンクをクリックする原動力になりえた。
全ての歌を聴き、わかったことは2つ。
私がはじめに聴いた歌は彼の動画のシリーズで行くと割りと特殊な種類のものであり、通常は「アニメソングのアレンジ」を主体とした骨組みを取っていたという事。
そして、きわめて短いが「謙遜」も「慢心」も見られない動画の説明文からは、かなりフォーカスの効く人間であるということが読み取れた。
ただ、私にとってはそれが全てであった。
もともと、音楽を聴くという習慣を持たない私は一通り聞き飽きるとブラウザのタブとして残しておいたそのページを閉じた。

私が動画を作成するようになったのはそれから半年以上たってからである。
よっぽど人気がないと見えて、全く再生数が上がらない。
強がった言い方をすれば、再生数などはほとんど気にならないのであるが、そうはいってもニコニコ動画。
見てもらうために、あげてるわけで、数の50%以上が自分のクリックという事態はあまりにも自分がかわいそうなので策を講じる事にした。
「策を講じる」というと大袈裟であるが、簡単かつ、効果的で、即効性がある方法は1つしか思い浮かばない。
「人気のある動画に紹介してもらえばいい」
3拍子そろった方法であるが私にとっては一拍子抜けていた。
「簡単」ではないのである。
コネがない。
しかも、仮にあったとしてもマジックというカテゴライズにある程度の関連性がなければ滑稽なだけである。
これはもう、でっち上げるしかないのであるが、幸いサイレントで構成されている私のマジック動画は「音楽」というファクターが一枚目になりえる要素を持っていた。
「ニコニコ動画で人気の歌をBGMで使えばいいのだ」
と考えた私は、すぐに「たかび」のことを思い出した。
全て聞きなおし、ニコ動以外の彼の所有する音楽共用サイトのオリジナルソングも聞き、最適な曲を探した。結局は、一番初めに聞いた曲を使用することになったのだが、そのころには既に私も「たかび」のいちファンであった。
演技と歌のイメージを揃え動画を編集し完成させると私は2つめの仕事に移行した。
ファンレターを書くとするか。
歌の使用許可を求める連絡をしようとした私はそれに格好つけてファンレターを書こうと企んだ。
前文で挨拶と許可を求める連絡事項を書き、ところが、さて、といったとこでタイピングする手が止まってしまった。
褒めるところが一つもないのである。いや、ファンレターだからといって褒める必要はないのであるが、それでも手土産の1つや2つぶら下げるべきではないかと考えていた私は途方にくれた。
まず、私は音楽に関してほとんど知識がなかった。
彼自身が上手いのか下手なのか判別する比較対象が乏しかった。
この状態で、ギターが上手いだとか、声がいいだとか、感動しただとか、評価するようなことを書いても礼に逸する。
それはまずい。結局何も書けなかった私は、前文のみでメッセージを送信した。

返事を待っていた一週間の間、彼の動画を見返してみると全て見たと思っていたリストから一つ見ていないものがあったことに気が付いた。
どのような兼ね合いで見逃していたのかわからないが、どうやらその歌が最も再生数が多く彼の代表的な歌らしかった。
時報と呼ばれるよく聞くメロディーをアレンジしたその歌は、私の知らない単語を含み、しかし、ゆったりとした速度で流れていた。
私は再生ボタンを押すためにクリックした右手をカードに戻すと、画面から目を離しフラリッシュの練習を始めた。ところが、聞き始めてすぐ、ある歌詞に反応して、手が止まってしまった。
「別になくたって死にゃしないが」
格段、衝撃的な言葉でもない。どちらかというと、ありふれている言葉かもしれない。
しかし、その言葉で私は画面を見上げ返し、動画再生スタート時から全く変わらないキャラクターの絵をしばらく見てしまった。
見られたような気がした。
ニコニコ動画を見ている人の 孤独さ、未熟さ、能天気さ、そして矜持がトリミングされていた。
と、なんというか、上手く表現できないが、つまりは「死にゃしない」のだ。
誰も問題など出していないのに先に答えを言われてしまった。
正解なのである。
やられた。
そう思って、彼のオリジナルソングを聴きなおすと全部「正解」している。
「正解」がゆえに持つその特権なのであろう。
風景が見えていた。シルエットがあり、色があった。
わたしは、ただ単に繰り返し聞いた効果によって彼のファンになっていたと思っていたが実は違っていた。
その構図の取り方とフォーカスの鋭さに魅かれていただけなのだ。
歌に関して発言するのが失礼だとか失礼でないとか考えていた私がおろかであった。
つまりは、よやもすると彼は彼自身の歌唱力に慢心しており、無知な私が褒めたりけなしたりする事によって、彼の自尊心が崩れてしまうのではないかという危惧があったのだが、無用であった。
はなから、そんなところに重心は置いていない。
ただ単にエンターティナーであるのだ。
だとしたら私のやろうとしている事と同じではないのか。
だとしたら少なくとも対等にいえることがあるのではないだろうか。
そうか、とそれに気が付くと、彼から来た許可を伝えるメッセージに返信するのは簡単だった。
思ったことをそのまま書いただけである。

やはり、対等に帰ってきた彼のメールはさわやかであり、潔かった。

結局そのメッセージに「私の動画を紹介してください」などと言う恥ずかしいことは書けなかったわけで、相変わらず芋虫のような速度でしか数字が伸びない私の動画は、彼の魅力には到底かなわないでいる。

たかびー 様 ニコニコマイリスト
http://www.nicovideo.jp/mylist/772041

i chord ; TAKA-Bee
http://milky.geocities.jp/takabee0901/



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